早朝5時10分、出勤する妻を駅に送るために車を出す。
一年に一度、職場で早朝マラソンがあるとのことだから。
なんたる制度だ。
それに間に合う電車は5時20分発という。
送るのはいいのだが、私は本当は5時8分には出発したかった。
なぜなら、家から駅のロータリーまで車で5分かかる。信号にめいっぱいひっかかった場合は7分だ。
そこから、車を降りて駅の階段を登り、改札を抜けてホームに降りるまで、大人の足で3分。
つまり、信号にひっかかった場合を考慮すると、10分以上は欲しいところなのだ。
そうであるのに、家を出たのは5時10分。10分では全く余裕がない。
遅くなったのは100パーセント、妻のせいである。
「朝は車が少ないから」とか、のんびり支度。
信号での停止は車は関係ないというのに困ったものだ。
案の定、駅に着いたのは5時17分。通行量は少なかったが、大きな交差点の信号で停まったお陰でギリギリだ。
助手席から降りる妻。
「ありがとう、いってきます」
「うん、気をつけて」
いつもの挨拶をして、別れる。
やれやれ、しょうがないな。
一人、家に帰り、洗濯に取りかかる。
すると、スマホのメッセージ通知音が。
「ギリギリになって焦ったけど、乗れたよ!いつもいつもありがとう!」
やれやれ、しょうがないな。